幕末から明治初頭に来日した多くの外国人の記録を見ると、かつてのこの国の社会は、人間も動物も分け隔てのない暮らしをしていた事がわかります。いくつかその例を紹介してきました。「江戸の町には犬が多い」と多くの外国人が書いていて、「江戸の犬は人間が石を拾って投げつけようとしても逃げない」と、彼らの祖国での犬の様子と異なることを書いています。中には刀傷と思われる大きな傷痕を背中に残した犬もいたようですが、誰が飼い主であるわけでもなく、その町全体で多くの犬を養っているようだと書いた人もいます。
肉を食べる習慣もなく、牛の乳を「子牛から横取り」して飲む習慣もなく、鶏は飼っていても卵だけが目的で、馬は去勢も調教もされていない・・・。
日本の社会は、いつからそうだったのか、その経緯を考えると袋小路に入ってしまいました。
悪名高い「生類憐みの令」の世に知られる事の「嘘」は以前ここで書きました。
http://3and1-ryo.blogspot.com/2010/09/2.html
病気の馬や犬を棄てるな!という法令が出たということは、それまでそう言う事が日常的に行われていたことを表します。それが、幕末から明治の頃にはそんな事など微塵も感じさせない世の中になるですから、この「生類憐みの令」なる法令の浸透で世の中が変わったことになります。
そんな事ありえるのでしょうか。というのが僕の疑問です。
もし、あり得たのならばどのような過程を経たのかが大いに知りたいところであります。
江戸期以前の人間と動物の関わり方はどうだったのか?
江戸期に入ってどう変わったのか?
変わったとするのなら、その原因は何なのか?
疑問は果てしなく広がります。一冊で僕の疑問に答えてくれる本はないかしらと切に願っています。
今日はこれまで。
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