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2011年11月13日日曜日

ほくそ笑む

これまで、問題を矮小化して幼児のような二項対立の世界観でもって、無責任なでたらめな論説でその参加の旗振り役を務めてきたマスコミは、してやったりでしょうね・・・。

交渉に参加すると野田首相が明言してしまいましたから・・・。

この期に及んでも新聞は正気とは思えないことを書いてます。例えば、「アジアとアメリカの橋渡しとなって、有利な条件を勝ち取るように交渉せよ」とかね。

宮沢・クリントン時代から始まった「年次改革要望書」は、日本だけが一方的にそれを飲まされている事実を何故にマスコミは公表しない?対米通商交渉は、古くは繊維から始まって牛肉・オレンジの交渉まで、常に日本が譲歩し続けている事実をなぜ問題視しない?

おそらく、それを知らせてしまったらアメリカとの有利な交渉など進められっこないということを皆が知ってしまうからだろう。都合の悪い事実は伏せるのは彼らの常套手段。

大体、国の安全保障という国家存立の首根っこをアメリカに抑えられているのに、そのアメリカ様に対等な交渉ができると思うことが間違っているだろう・・・。

特に、マスコミがこぞっていう「アジア」(実はアジアなんてほとんどない)の国々は、台頭する中国への押さえとして皆アメリカの軍事力に頼っているんだぞ。日本と組んでそのアメリカにたてつく国などあるわけがないだろう・・・。

もう何度書いたかわからないけど、ほんとにその報道姿勢にはあきれてしまう。国を売ろうとしているとしか考えられない。

今日はこれまで。


2011年11月11日金曜日

想定外もしくは予想外

震災以降、「想定外」という言葉をよく耳にするようになりました。


さて、オリンパスの事件が世を賑わせています。決して後知恵ではなく、外国人社長が突然の解任となった事件の直後に、「会社ぐるみで何かを隠しているな」と直感しました。あの直後に明らかにされた買収の仲介会社への巨額の報酬はただ事ではないし、しかも「適切に会計処理した」と再任された社長が強弁するに及んで「ますます怪しい」と思いました。

案の定です。

もう、何とも言葉がないなというのが率直な感想です。おそらく菊川社長と、その2代前くらいの社長たちは、株主代表訴訟を起こされるでしょう。晩節を汚すのも極まれりといったとこ。

「自殺でもしたほうがいい」

と、父親は言い放ちました。僕もその罪万死に値すると思います。

テレビで意見を問われる弁護士やらは、「ガバナンスの問題」とか、すぐに組織の問題を口にします。僕が思うに、「彼らに公徳がなかったから」というだけの問題だと思います。それを隠蔽し続けた組織の体質ではなく、そのトップには「社」の徳があって、「公」の徳がなかっただけのことです。

とはいえ、法律を犯した罪人であっても、家庭や地域では善良な人、しかも社会的地位のある人であったわけで、決して極悪非道な人ではなかったはず。しかるに、なぜ「会社」という組織ではその「私」なり「公」なりの「徳」が覆い隠されるのか・・・。僕はそんなことを考えてしまいます。

したがって、彼らを弁護しようとは思いませんが、声高に断罪したりすることにも違和感があります。個人のそれが、時に何かに流され、押しつぶされ、心の奥底に沈めざるを得ないこともあるというのは組織に生きる人ならば皆思い当たるだろうから・・・。

この国ではその「何か」が「空気」なわけですね・・・。

それを感じ取れなかった外国人社長が、初めてそれを口にして大騒ぎとなった。

あの外国人社長は、菊川社長が連れてきたのではないの?だとしたら、菊川社長は内心忸怩たる思いでしょうね・・・。

飼い犬に手をかまれたということですね。おそらく彼にしてみれば「予想外」のこと。

これも人生の不思議さですね。

今日はこれまで。


2011年11月7日月曜日

秋は夕暮れ・・・

ここのところ、めっきりと秋が深まってきました。

昨年はちょうどこの頃、「柿」についていろいろ書いていたのを思い出します。

今年はというと・・・。日が暮れ行くさまのもの悲しさに心をうたれます。

秋は、夕暮。夕日のさして、山の端(は)いと近うなりたるに、烏の寝どころへ行くとて、三つ四つ、二つ三つなど、飛び急ぐさへあはれなり。まいてなどの連ねたるがいと小さく見ゆるは、いとをかし。日入り果てて、風の音、虫の音など、はたいふべきにあらず。

僕が感じる秋への思いは、1000年以上前に清少納言が言っていたことですね。彼女がみた秋の風景と、僕のみることのできる秋のそれは、明らかにことなりますが、それが映し出す心象は同じものだといえるのかも知れません。

今日はこれまで。

2011年11月4日金曜日

たまに新聞を開いてみれば・・・

やはり不愉快にならざるを得ない・・・。

テレビのニュースもそうです。例えばギリシャの財政危機問題。決まって言われるのは日本は対GDPでみた「国」の借金がギリシャよりも大きいと、危機感を煽るような言い方です。「国」と括弧でくくったのは、三橋貴明が言うように正確には「政府」の借金であって「国」のではないということを至極妥当なものだと思うから・・・。

大体、借金額の多寡だけを論じるのは大きな間違いだということに気がつかないのだろうか?資産1億円の人の2億円の借金と、資産100万円の人の1億円の借金ではどちらがまずい状況かはすぐにわかる。それは借金額の多寡ではない。しかるに、報道も、さらには国会議員ですら額の多寡だけを問題にして危機感を煽っている。これは正しい姿なのか?

本日(4日)、驚いたのは日経の5面。

内閣府の発表した2.7兆円の効果。TPP参加した場合の数字です。同記事にはこうあります。

中立的な立場から内閣府が提示した試算は、「10年後の実質GDPは2.7兆押円し上げられる」。単純計算した累積押し上げ額は13.5兆円。年1兆3,500億円の効果となる。

僕にはこの計算の意味がわからない。10年後に2.7兆円となるのに、それに10をかけるのか?正しくは10年後に2.7兆円になるから、単純計算して年に2,700億円の押し上げ効果ではないのか?

さらに、相変わらず「試算には単純な関税撤廃効果だけで、アジアの今後の成長を織り込んでいない」とか書いている始末。だから、どこの「アジア」なのか教えてくれ!

日経だけでなく、読売もそうなのだが、TPPへの参加を国家の安全保障の観点から説いている記事が多い。

その主張のおかしなところは、そういう主張と同じ口で「交渉が不利になったら離脱すればよい」とかいってること。とにかく「安全保障」という観点があるのなら、離脱などおかしいではないか?

歴史を知らぬ、戦史を知らぬ人に教えよう。経済の結びつきなど戦争防止には何の役にも立たないのだと・・・。

第一次大戦時の各国の経済的結びつきは今よりもずっと強い。
1913年の主要国のGDPに占める輸出の割合は以下の通り。()内は1993年の値。

英:33.9(19.4)
仏:13.8(16.5)
独:19.2(23.1)
ベルギー:57.1(52.9)
伊:12.4(18.5)
日:14.2(8.4)
米:7.2(7.2)
豪:42.2(12.3)

出所「戦場の未来」ジョージ・フリードマン&メレディス・フリードマン


世界は二度の大戦を経てグローバル化したのではなく、その前からそうだったのだ。もちろん、金融・投資の面では当時は今とは比較できないが、あくまでも製品輸出だけでも、今と変わらぬほど密接なつながりがあったのだ。

この歴史を鏡とするなら、たんなる経済上の取り決めが安全保障にも極めて重要だという主張には留保がつけられるべきだと僕は思う。


そういえば、伊藤元重という東大教授がこんなことをTPP参加推進者の集会で述べていたのをテレビでみて唖然とした。いわく「国を閉ざして繁栄した国は私の知る限りない」と・・・。

自国民の食料のほとんどを輸入に頼っているこの国が「閉ざ」されているなどとはいえないだろうというのが、第1点の僕の疑問。第2の疑問は江戸の鎖国政策は270年にも及ぶ平和な期間を生み出し、世界にも類を見ない「非支配層が文化を生み出した」という歴史があるではないか。それは繁栄とはいわないのか?ということ。いい加減に江戸時代は暗黒だったという虚妄から目を覚ませといいたい。

僕は、この伊藤元重という人の本を数冊持っていたので、非常にがっかりしました。

今日はこれまで。


2011年11月1日火曜日

不愉快

最近、ここ2週間ばかり新聞には目を通さなくなりました。
正確に言うと、番組欄とスポーツ欄だけはみていますが、主要記事満載の1面には
目をつむっています。

精神健康上には、そのほうがどれほどいいかわからない。

とはいえ、ネットから情報は得ているので目にしたくないものであっても、目に入ってきてしまいます。


内閣府が発表したTPP参加時の国内GDPに与えるプラス効果が2.7兆円という数字・・・。
日本のGDPは530兆円なので、その中の僅か0.5%程度だということは、内閣府が賛成派のいう「アジアの成長を取り込んで輸出を伸ばせ」ということを

「そんなうまくいくわけはない」

と打ち消したに等しいと思っていました。

ところが、この2.7兆円という数字。何と単年ではなく10年間の累積だと知ってびっくり!

さらには、「10年間という正しい注釈をつけて報道したのは、僕の不倶戴天の敵である朝日新聞のみであったと知って、もう体から一切の気力がうせてしまいました。

10年間で2.7兆円ということは、単年で2,700億円にしかすぎないことになります・・・。何のこっちゃ?

まったくもって新聞の報道姿勢はおかしなことだらけ・・・。アメリカからお金でももらっているのだろうとしか考えられないですな。

不愉快極まりない・・・。

今日はこれまで。


2011年10月20日木曜日

果たして真意は那辺にありや?その4

民主党政権は、普天間での失策をTPPへの参加で補おうとしているのですね・・・。日経・読売・産経もアメリカべったりの現状の姿勢から、この国の真の独立への一歩を踏み出すことなく、「アメリカ様の要請ならば・・・」ということなのでしょう。それがおそらくTPP参加への真意でしょう。

しかるに、朝日や毎日の反米は一体どこへいったのか?

その真意は未だ「那辺にありや?」です・・・。おそらく、この国のかたちを滅ぼしたいのだな・・・。そのためには時に反米、時に親米・・・。

この問題では「赤旗」だけが唯一正しい!


昨日の読売には、ようやく、ホントに今になってようやくですよ、24の作業部会の項目が掲載され、そのそれぞれについての日本のメリット、デメリットが箇条書きで記されていました。もうアホらしくて
コメントする気もおこりません・・・。

「成長著しいアジアの市場を取り込め」

それが賛成派の一番の根拠ですが、その筆頭である中国も韓国も入っていないじゃないか!一体、どの「アジア」なんだ?

「中国封じ込めにも資する」

とか、要するに安全保障上の意味合いからも参加せよとか言ってるが、TPPは経済連携であってそこに軍事的な側面など微塵もないだろうが!アホか!

世の中の風潮=マスコミの論調ではないということを再認識しました。おそらくこの問題も多くの国民は参加しないほうがいいと思っているのではないか?ただ、問題は政治家がマスコミを向いて仕事をしているということで、世の中の声なき声をわかっていないということ。

心底嫌になるわ・・・。

今日はこれまで。

2011年10月17日月曜日

良書紹介

ここ1週間ほど寝込んでいた僕は、その間かなり本を読みました。

そのいくつかをご紹介します。そしてここに挙げた本が、ここのところTPPに関わる新聞記事を批判した文章のタネ本となります。順不同でご紹介しますが、まず「公共事業が日本を救う」と題された本には、世の中に流通している公共事業悪玉論の中には明らかな事実誤認や、都合のよいように書き換えたデータが数多く存在し、そんな嘘をベースに公共事業を不要にしたらこの国が滅ぶと警鐘をならしています。かなりよい本です。著者は京都大学の土木の教授です。氏の示すところによって日本の道路は先進国の中で最悪の水準であることが明らかとなり、異様に高いといわれ続けている公共事業費の、世界との比較でも、条件を同じにすればアメリカと大差はないということが書かれています。
GDP=消費+投資+政府支出+経常収支なのだから、消費と投資がデフレ下で伸びないのならば、積極財政によって政府支出を伸ばす以外にGDP成長の道はないと明確に言い切ります。その論旨が明確で小気味が良い。



「TPP亡国論」「間違いだらけのTPP」は、TPPとは一体何なのかを考えるときの必須の双璧です。どちらもきちんとしたデータを使い、そのでたらめさ、そしてアメリカの狙いを予想しており、一貫してその参加は国を滅ぼすもとだと言い切ります。TPPに関する書籍はこの2冊を読めば十分でしょう。

これだけ読めば、世に流通するTPP参加の論説のいい加減さでたらめさがすぐにわかります。これらが僕のその論説批判のタネ本です。


亡国論の著者は中野剛志。以前も紹介しましたね。現役経産相の官僚で現在京都大学へ出向中。最初に紹介した藤井聡氏のもとにいるようです。

まちがいだらけの著者は東谷聡。彼はかなり硬質なジャーナリストだと僕は思っています。西部邁主幹の雑誌でよく記事を挙げていました。








ちょっと、毛色はかわります。僕の好きな三品和広の「戦略暴走」。ずっと読んでみたいと思っていたのですが、ようやく一気に読み終えました。これは、タイトルのとおり、新規事業の失敗を「戦略の暴走」と名づけ、その原因を追ったもの。事例は様々な業種から179集められています。中でも僕にとって興味深かったのは1990年代初頭の「リゾート法」によって多くの企業が、それに参入した後の、いわば「夢の宴」の後始末。そのころ、そんな仕事に関わっていたので、他人事とはあまり思えなかった。あとは伊勢丹がバーニーズと合弁した顛末とかね。伊勢丹はその何と平均利益の9年分の損失を出したんだとか・・・。三品氏の面目躍如は今回もでていて、それは、その暴走をなした経営者そのものを出していること。その主役として必ず分析対象としています。経営は属人的な要素の強いものであり、戦略は為すではなく、むしろ読むにあるといっている三品氏の研究姿勢には大きな共感を覚えます。

最近、立て続けに本を出していますね。また次の著作が楽しみです。


最後は、最近新聞の書籍広告で多く見ていた三橋貴明の著作です。彼は2ちゃんでの書き込みが発端で、ブログがブレイクし、それがもとで作家デビューをしたのだとか・・・。面白い経歴ですが、著作も実に面白かった。タイトルは「何があっても日本経済は破綻しない本当の理由」

彼も、最初に紹介した藤井氏と同様に、世の中に流通しているデータの解釈、その嘘を暴きます。たとえば、「国の借金」という言葉遣い。彼によればそこでいう「国」は単なる中央政府のことにすぎず、「国」という言葉をつかうのならば企業、民間あわせた借金を示さなければ正しい言葉遣いとはいえないといいます。まさしくその通り。そして「国の」とした場合の日本国の借金などなく、逆に250兆円近い、黒字があり世界一の金持ちなのだと。

そして、国債発行というかたちでまかなわれる中央政府の借金は、そのまま国内の金融機関やら個人の資産となる、つまりは形をかえるにすぎないといいます。彼も積極財政によるデフレ脱却を主張します。

三橋氏の著作はかなりありますが、あと2,3冊読んでみようとは思いません。僕には好きになれない文章だから・・・。決して内容のことではありません。

今日はこれまで。